第8回学術大会報告

第8回学術大会報告

 

第8回大会実行委員長  高野 晶  

 

 

 3月26日のプレコングレスを皮切りに、第8回学術大会は活気に満ちた空気のなか、28日までのすべてのプログラムが順調にとりおこなわれました。大会プログラムの項目は、大会ポスターのPDFをご参照ください。

 本大会には、ふたつの新しい企画がありました。

 第1には、教育研修セミナーの3コースで、基礎コース(アセスメント面接について)、疾患別講座(うつ病とその関連領域について)、実践コース(メンタライゼーションについて)を開催しました。それぞれに、特色のある展開となり、もっと時間がほしいという希望も多くよせられました。

 第2には、教育講演2で、初めて生物学的精神医学の専門領域から、笠井清登東京大学教授をお招きし、「こころと脳の自己制御」というタイトルで、こころと脳の両方向性の関連について、そして精神療法が脳そのものに影響を与える可能性についてもふれられ、こころの世界に身をひたしている私たちにとっては、とても刺激的な時間となりました。

 従来の企画においても、精神分析的精神療法に関連するいろいろな切り口が設けられました。

 シンポジウムは、本学会にご理解とご協力をいただきながら、昨年惜しまれて逝去された土居健郎先生の「甘え」理論を学びなおす機会となりました。理論発生の背景となる土居先生の人となりにもふれられる場面があり、暖かい時間が過ぎてゆきました。

 パネルディスカッションは、医療現場でどのように精神分析的精神療法を実践するのか、しうるのかというテーマを取り扱い、経験豊富なパネラーと討論者による、実践をもとにした発表と討論が行われました。また、教育講演1は、鈴木龍講師により、プライベートプラクティスをめぐる、真摯で精神分析的精神療法の真髄をつくお話をうかがうことができました。これらふたつの企画は、対として位置づけられるものですが、若い参加者や、地方で研修中の参加者たちから、勇気づけられたという感想をいただきました。

 研究発表、症例検討では、個人精神療法はもちろんのこと、グループや精神鑑定、地域精神医療の現場での考察など、バリエーションにも富み、かつ比較的経験の浅い発表者からシニアクラスの発表者まで多彩な組み合わせとなりました。それぞれに討論者および助言者が加わり、本学会発足以来の綿密な臨床検討を重視した企画です。

 このように、いろいろな企画を盛り込んだため、いささか時間が不十分であった感はありますが、取り扱いきれなかったテーマは、次回大会以降に改めて練り上げたいと思います。申し込み手続きを含め、諸々の不手際はご容赦ください。

 季節にしては冷えこんだ気候のなか、熱心にご参加いただいた方々により、盛況な学術大会となり、実行委員会と各種委員会を代表して、ご挨拶とご報告をいたしました。

 次回第9回大会は、23年3月に、小川豊昭実行委員長の指揮のもと、名古屋にて開催される予定ですので、またのご参加をお待ちしております。